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2022.11.28

2000年代が熱い。映画『RIZE』がもたらしたこと。DJ DARUMAと佐野玲於のカルチャー対談 Vol.2

2000年代が熱い。映画『RIZE』がもたらしたこと。DJ DARUMAと佐野玲於のカルチャー対談 Vol.2

佐野玲於
WEGOの店内BGMのセレクトをプロデュースしているPKCZ®のDJ DARUMAと、GENERATIONS from EXILE TRIBEのパフォーマーとして活躍する佐野玲於。ダンス、音楽を軸に発信し続ける2人。Y2Kに触れ、2000年代リバイバルが今は熱い! という内容のVol.1に続き、この回ではダンサーである2人が影響を受けたダンス「クランプ」について話をしてくれた。



DJ DARUMA(以下、D 玲於は、いつ頃からこういうダンスや音楽とかのカルチャーに入っていったの?

佐野玲於(以下、R ダンスを始めたのは小学校3年生の頃なんですけど、それまでは音楽をあまり聴いていなかったんですよ。ダンスを始めたきっかけは、男の子特有の憧れみたいなのが入り口で。最初はB-BOYに憧れて、ブレイクダンスをやりたかったんですよ。

D 何の影響でブレイクダンスやりたくなったの?

R ブレイクダンスって分かりやすいじゃないですか?そのときはDA PUMPさんやw-inds.さん達が居たし、ストリートでも見てたし。東京に住み始めたのが小学生2年の頃だったんですけど、それまで親の仕事の関係で転校少年だったんです。愛知県の名古屋に出るのも一時間くらいかかるような山と海しかないようなところで育ってきたんで、東京に出てきたときの衝撃が強くて。自分にはめちゃくちゃギラギラして見えたし、中野区に住んでいたから、なかのZEROホールや、サンプラ(中野サンプラザ)とかの前で練習している人たちを見て、自然とダンスをやりたいなと思ったんですよ。それでダンスを始めて、1カ月後くらいに新宿のルインズというクラブで初めて踊ったんですけど、そのときの音楽がジャクソン5の「ABC」から、ミッシー・エリオットという謎のナンバーでした。とにかく楽しくて、音楽にもハマっていろいろ聴くようになりましたね。

佐野玲於 DJ DARUMA

D 入口がミッシー・エリオットとかだったんだ。

R そうです。それとT-ペイン、クリス・ブラウン、リル・ウェイン、バスタ・ライムスとかもめっちゃ聴きました。そういうアーティストがダンサーの間では人気で、この曲で踊るか踊らないかみたいな。

D ショーに出たときは。ブレイキンだったの? それとも立ち踊りだったの?

R ブレイキンは一回もやったことないので、立ち踊りです。そこからすぐに『RIZE』というデヴィッド・ラシャペル監督の映画が公開になって、半年くらいでヒップホップのダンサーを辞めてクランプを始めて。師匠に「お前も観ろ」と言われて、観たらめっちゃ格好良くて。それでクランプを始めて、ずっとそのまま。

D 小学校の頃に『RIZE』を観たってことなんだね。

R 格好いいと思ったんですよね。子どもながらにめちゃくちゃハマって、同じ動きをしたり、同じような格好をしたりして、凄くいなたい少年になっていったというか。ダンスで言えばハーレムシェイクがはしりで、そのあとに出てきたのが『RIZE』に出てくるクランプなんですけど、向こうでクランプを踊っている人たちは、いなたくて、金がなくて、削ぎ落されているんです。そういう人たちは表現的にも俺はメインだと思ったから、自分もめっちゃいなたくなっちゃったんです(笑)。なんせ、西海岸の本当に黒人の、超ローキーな人たちが格好いいと俺は思っていたから。当時はファレル(・ウィリアムス)とかディプロマッツとかも人気でしたけど、俺はチャラい系だと思っていたんです。でもそこらへんの曲は気になっていたので隠れて聴いていました(笑)

D 隠れて聴いていたんだ(笑)……でも表向きは”チャラよね”いみたいな?(笑)

DJ DARUMA

R そうです。R&Bは好きだけど俺の中では渋谷系に感じられて。俺はどちらかというと新宿系ダンサーだったから。ダンサーにも新宿系、池袋系、渋谷系、六本木系とかあって。

D 玲於たちの世代もそうなんだ。俺らの時代にも確かに、新宿系、六本木系、横浜系とかあった。

R 俺が思う格好いいラインは新宿系のダンサーさんで、ヒップホップだったらミドルスクールをやっている人。そこにクランプがあって、オールドスクールの人たちがいてという。NBA系のNew Era®が流行っていましたけど、俺はそれに背を向けて、New Era®のオーセン(オーセンティック)のブランドロゴが横にないやつを被って、Polo Clubを着て、TRUE RELIGIONじゃないのに、それにTimberlandを履いてみたり。

D それは若くして随分こじらせているね(笑)。

佐野玲於 DJ DARUMA

R エナメルのNIKE AIR FORCE 1のワールドカップカラーみたいなのが出たときに、めっちゃ履いている人がいて。でもお金がないからみんなプロケッツのエナメルを買っていたんです。それを履いている人は格好いいみたいな、自分の中でしっかりとした線引きがあって、それと一緒で音楽も線引きがあったんです。超細かいこだわりというか。コミュニティで自然にそうなっていたことが、こっちの受け取り側としては勝手に分散されているものだと思っていたんですね。それを自分は子供ながらに大人を見て思っていた感じですね。

D 全然知らなかったけど、言っていることはなんか分かるな。話は変わるけど、監督のデビッド・ラシャペルが昔、『RIZE』のキャンペーンで日本に来たときに、雑誌の企画で、「こいつらダンサーで、面白いから」って会わされて、代々木公園でDIGITAL JUNKEEZ全員で踊ったのを撮ってもらったことがあったの思い出した。今思えば、トラヴィス・スコット『アストロワールド』のジャケ写もあの人だよね。『RIZE』は僕も、当時は直球でくらったというか。踊りはしなかったけど、文化としては凄いなと思った。

DJ DARUMA

―サウスセントラル(LA)で生まれたクランプは、何かしら問題を抱えた若者たちの間で生まれたダンスだと思います。這い上がる手段としての爆発的なパワーを持ったダンスというか。そういった部分に惹かれたりしましたか?

R
 ダンスをやる人って真面目な人が多いと思うんです。自分も正直、育ってきた環境の中でいろいろなことがありまして、親元を離れて東京に来る前は親に4年くらい会っていなかったんです。3歳~4歳のときに家族解散するとなって明日から愛知のばあちゃん家へ行って、俺は婆ちゃんっ子だったからそれが嬉しくて。そこから34年くらい経って親が迎えに来て、東京に出てきたんですけど。でも俺はまったく傷ついていなくて、それが普通のことだと思っていたし、自然な流れだったんです。

D 俺も自分の生い立ち的に色々あったけど、別にそれが不幸とは思ってないからその感覚は分かるな。

R 今思えば「いろいろなことがあったな」ということになっているだけで、思いませんでした。それに愛知に戻らないで、そのまま東京に居続けていたらダンスを見たときの衝撃とかもなかったと思うんです。物心ついたときに東京に戻ってきたから、すべてがギラギラしていてフレッシュに見えたというか、ボールが鏡にパリンと当たるみたいな。それがあったからめっちゃダンスにハマったんだと思います。だって普通の子どもが『RIZE』を観て共感するわけがないですから。だけど、自分は共感するものがあった。

佐野玲於

D 玲於は生涯クランパーだろうね。絶対に変わることないんじゃない。僕は今、DJでジェネレーションズのライヴに帯同していて、自分はブースの中にいて、玲於が出てくるのを目の前で見るんですけど、もろいいバイブスで出てきますからね。

R 一緒にまわらせていただいているツアーでは、既存曲で踊っているんですけど、フリースタイルのコーナーの前半でシャバ・ランクスを使っていたんですよ。クランプを踊っているダンサーの間でシャバ・ランクスで踊るのがめっちゃ流行っていたりして、それが今でも忘れられなくて今年のツアーで使ったんです。

D ドームでシャバ・ランクスが鳴り響く日がくるとは思わなかったよ(笑)。すごい時代です。

佐野玲於 DJ DARUMA

Part.3へ続く



<プロフィール>
佐野玲於
1996年生まれ。愛知県出身。8歳の頃からダンスを始め、2012年に、GENERATIONS from EXILE TRIBEのパフォーマーとしてメジャーデビュー。ダンサー、俳優として活躍中。

DJ DARUMA
1975年生まれ。東京都出身。DJ、ファッションデザイナー。90年代よりダンサーとして、2000年よりDJとして活動開始。現在は、PKCZ®のメンバーとして活動する他、DJとして数々の現場にて活躍中。



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PKCZ®が全面プロデュースを手掛けるWEGOの店内BGMは毎月15日更新。セレクトされた楽曲は、全国のWEGO店頭のBGMとして聴けるほか、Spotifyでも過去のアーカイブから新作まで、全プレイリストを配信中。

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<佐野玲於×DJ DARUMA カルチャー対談>
■Y2Kリバイバルの時代がやってきた。DJ DARUMAと佐野玲於のカルチャー対談 Vol.1[記事を見る]





Text/Kana Yoshioka

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